【インデックス投資が最強】プロでも難しい?市場平均を上回る投資の真実

投資知識

皆さんこんにちは。今日は「プロが運用するアクティブファンドでも、市場平均を継続的に上回るのは難しいと聞きました。本当でしょうか?」という質問について答えていきたいと思います。

最初に結論

結論から言えば、これは概ね正しい認識です。多くの研究結果が、プロの運用者でさえ、長期的に市場平均を上回ることの難しさを示しています。

では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?その理由を理解するためには、「効率的市場仮説」という考え方を知る必要があります。

効率的市場仮説とは?

効率的市場仮説は、1970年代にシカゴ大学のユージン・ファーマ教授によって提唱された金融市場における重要な理論の一つです。この仮説によると、市場価格は常に利用可能なすべての情報を反映しているため、誰も継続的に市場を上回るリターンを得ることはできないとされています。

簡単に言えば、株式市場は非常に多くの投資家が参加しており、新しい情報がすぐに株価に反映されるため、「割安な株を見つけて儲ける」ことが極めて難しいという考え方です。

効率的市場仮説の3つのレベル

弱度形:過去の価格情報から将来の価格を予測することはできない

  • 例:チャート分析などの技術的分析は効果がないとされます。

準強度形:公開されている情報はすべて株価に反映されている

  • 例:決算情報や経済指標などの公開情報を使っても、超過リターンは得られないとされます。

強度形:内部情報も含めたすべての情報が株価に反映されている

  • 例:企業の内部者でさえ、その情報を使って超過リターンを得ることはできないとされます。

現実の市場は、完全に効率的ではありませんが、多くの研究者は「準強度形」に近い状態にあると考えています。

なぜプロでも市場平均を上回るのが難しいのか?

情報の即時反映

新しい情報は瞬時に多くの投資家に共有され、株価に反映されます。プロの投資家も、一般の投資家と同じ情報を同時に得ることがほとんどです。

例えば、ある企業の好決算ニュースが発表されると、その情報は瞬時に株価に織り込まれてしまいます。

取引コストの存在

頻繁な売買は手数料がかさみ、リターンを削ってしまいます。

例えば、年間取引回転率が100%のファンド(ポートフォリオ全体を年に1回入れ替える)の場合、取引コストだけで1-2%のリターンが失われる可能性があります。

予測の困難さ

将来の出来事を正確に予測することは、プロでも極めて難しいのが現実です。

例えば、コロナショックのような予期せぬ出来事や、技術革新による業界構造の変化などは、事前に正確に予測することはほぼ不可能です。

運用資金の大きさ

大規模なファンドになるほど、機動的な売買が難しくなり、市場への影響も大きくなります。

例えば、1000億円規模のファンドが小型株に投資しようとしても、売買によって株価を大きく動かしてしまい、望んだ価格で取引できないことがあります。

心理的バイアス

プロの投資家であっても、人間である以上、様々な心理的バイアスの影響を受けます。

例えば、損失回避バイアス(利益よりも損失を過大に評価してしまう傾向)や、確証バイアス(自分の考えに合う情報ばかりを重視してしまう傾向)などが、冷静な判断を妨げることがあります。

短期的な成果への圧力

多くのファンドマネージャーは、四半期ごとや年次のパフォーマンス評価にさらされています。

これが、長期的には有効な戦略であっても、短期的にはアンダーパフォームする可能性のある投資判断を避ける傾向につながります。

著名な投資家の例

ウォーレン・バフェット氏は、長年にわたり市場平均を上回るリターンを出してきた稀有な投資家として知られています。彼の成功の秘訣は、「企業の本質的価値」に着目し、長期保有を基本とする投資哲学にあると言われています。しかし、彼のような成功例は極めて稀です。

多くの著名なファンドマネージャーも、長期的には市場平均を下回るパフォーマンスに苦しんでいます。例えば、かつて「投資の神様」と呼ばれたピーター・リンチ氏が運用していたマゼラン・ファンドも、彼の退任後は市場平均を下回る期間が多くなっています。

また、ビル・ミラー氏が運用していたリーマン・ブラザーズ・バリュー・トラストは、15年連続で S&P500 指数を上回るパフォーマンスを記録しましたが、その後のグローバル金融危機で大きく下落し、長期的には市場平均を下回る結果となりました。

これらの例は、短期的な成功が必ずしも長期的な成功を保証するものではないことを示しています。

では、個人投資家はどうすべきか?

効率的市場仮説と、プロでさえ市場平均を上回ることが難しい現実を踏まえると、個人投資家にとって最も賢明な選択は、低コストのインデックス投資、特にオルカン(全世界株式)やS&P500のインデックスファンドへの投資だと考えられます。

オルカンとS&P500のインデックス投資をおすすめする理由

低コスト

オルカンやS&P500のインデックスファンドは、一般的にアクティブファンドと比べて運用コストが低く抑えられています。

例えば、多くのインデックスファンドの信託報酬は年0.1%以下ですが、アクティブファンドの場合は1%以上かかることも珍しくありません。この差は長期的に見ると大きな影響を与えます。

分散投資効果

オルカンは全世界の株式に、S&P500は米国の大型株500銘柄に投資するため、自然と高度な分散投資が実現できます。これにより、特定の国や企業のリスクを軽減することができます。

市場平均のリターンの確保

効率的市場仮説に基づけば、長期的には市場平均のリターンを得ることが最も合理的です。

オルカンやS&P500のインデックスファンドは、まさにこの市場平均のリターンを低コストで実現する手段となります。

運用の簡便さ

個別株式の分析や銘柄選択に時間を割く必要がなく、定期的に一定額を積み立てていくだけで運用が可能です。

これは、投資に多くの時間を割くことができない個人投資家にとって大きなメリットとなります。

長期的な成長の享受

オルカンは世界経済全体の、S&P500は米国経済の成長を反映します。

長期的に見れば、世界経済や米国経済は成長を続けると考えられるため、これらのインデックスに投資することで、その成長の果実を享受できる可能性が高くなります。

心理的なストレスの軽減

市場全体に投資することで、個別銘柄の値動きに一喜一憂する必要がなくなります。

これにより、感情的な投資判断を避け、長期的な視点を保つことが容易になります。

インデックス投資を成功させるためのポイント

長期的視点を持つ

短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが重要です。株式市場は短期的には上下動を繰り返しますが、長期的には上昇トレンドにあります。

定期的な投資を行う

ドルコスト平均法を活用し、定期的に一定額を投資することで、市場の変動リスクを軽減できます。

これは、高値の時には少ない株数を、安値の時には多い株数を購入することになるため、平均取得単価を抑える効果があります。

リバランスを行う

複数の資産に分散投資している場合、定期的に当初の資産配分に戻すリバランスを行うことで、リスクの管理と収益機会の確保ができます。

投資方針を堅持する

市場が大きく下落した時こそ、冷静さを保ち、投資方針を堅持することが重要です。パニック売りは長期的なリターンを大きく毀損する可能性があります。

自己学習を続ける

金融リテラシーを高め、市場の仕組みや投資理論についての理解を深めることで、より賢明な投資判断ができるようになります。

上手な投資をするのではなく、自分の投資方針があっているのか自信をつけるために勉強するのが良いと思っています。

まとめ

プロの投資家でさえ市場平均を継続的に上回ることが難しい現実は、個人投資家にとってむしろ朗報かもしれません。なぜなら、高度な分析や頻繁な売買をせずとも、オルカンやS&P500のインデックス投資などの手法で市場平均並みのリターンを得られる可能性が高いからです。

重要なのは、自分の投資目的やリスク許容度を理解し、それに合った投資戦略を立てること。そして、その戦略を忍耐強く実行し続けることです。

リスク管理に向いたシンプルポートフォリオをおすすめしています。興味のある方は以下の記事を御覧ください。

投資の世界に完璧な戦略はありません。しかし、基本的な原則を理解し、それを愚直に実践することで、長期的には満足のいく結果を得られる可能性が高くなります。

オルカンやS&P500のインデックス投資は、その低コスト、高い分散効果、運用の簡便さから、多くの個人投資家にとって理想的な選択肢となるでしょう。ただし、これらのインデックスファンドに投資する場合でも、自身の財務状況や投資目的に照らし合わせて適切な資産配分を行うことが大切です。

また、インデックス投資の利点を最大限に活かすためには、長期的な視点を持ち、市場の短期的な変動に惑わされないことが重要です。定期的な積立投資を行い、必要に応じてリバランスを実施することで、時間の力を味方につけることができます。

最後に、投資は長期的な取り組みであり、一朝一夕に大きな成果を得ることは難しいということを心に留めておきましょう。焦らず、着実に、そして継続的に投資を行うことが、将来の経済的安定につながる道となるのです。

皆さんも、この記事を参考に、自分に合った投資方法を見つけてみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。このブログでは引き続き投資初心者のあなたに向けて、わかりやすく実践的な情報を定期的に配信していきます。ブログのシェアやコメントお待ちしております。

ロキ
ロキ

ではまた、次の記事でお会いしましょう。ロキでした。

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