最近お金の勉強を始めて、「生活防衛資金」を貯めろって聞いたけど、どれくらい貯めたらよいかわからない。そもそも生活防衛資金とは?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では生活防衛資金を貯めるべき理由と、生活防衛資金の考え方を解説していきたいと思います。
生活防衛資金を貯めるべき理由
実際に生活防衛資金を貯めてみて筆者が感じた、生活防衛資金を貯めるべき理由は以下の3つです。
生活防衛資金が必要な理由を理解できれば、資産形成のモチベーションにつながると思います。
心の余裕ができるから
1つ目の理由は「心の余裕ができるから」です。
生活防衛資金を用意しておくと、数か月~数年は何かがあっても生きていくことができます。
例えば
- 会社の環境が悪くて、精神的に働けなくなった時
- 事故や病気などで入院するために働けなくなった時
- リーマンショックのような世界的な資産の暴落が発生した時
このような時に生活防衛資金が貯まっていないと、明日からの生活をどうしたら良いのか分からなくなって焦ってしまうこともあるでしょう。
人間焦ってしまうと、平常時には考えられないような行動をしてしまうこともあります。本来は取り崩す必要がないのに、今まで購入してきた投資信託や株を売ってしまうかもしれません。
生活防衛資金が貯まっていれば「あと数か月はそのまま生活できるから、一旦落ち着こう」と自分に言い聞かせることができ、冷静になることができます。
お金を貯める習慣ができるから
2つ目の理由は「お金を貯める習慣ができるから」です。
生活防衛資金を貯めることができるということは、当たり前のことかもしれませんが収入と支出を比較した時収入の方が高いということです。現時点で貯金することができない人が、一般的に取り組みやすいのは支出を減らして、無駄遣いをなくして最適化された状態にすることです。
この支出が最適化された状態であれば、あとはそのままの状態でもお金はたまっていきますし、収入を増やすことができればさらにお金はたまっていきます。
つまり、一度生活防衛資金を貯められる状態になってしまえば、あとは自動的にお金を貯める習慣ができることになります。
色々なことに挑戦できるから
3つ目の理由は「色々なことに挑戦できるから」です。
この色々なことには投資や転職など、新しいことへの挑戦が当てはまります。
仮に生活防衛資金がない状態で、株式に投資をしたとしましょう。数日先の生活資金がない状態ですから、投資に失敗するわけにはいきません。常にチャートとにらめっこしたくなりますし、その間はずっと手に汗握る状態で、精神的に安心できません。
仮に生活防衛資金がない状態で、転職活動をしたとしましょう。今の仕事と転職活動を並行で実施しなければいけませんし、仕事も残業がたくさんあるかもしれません。万が一にも今の仕事を辞めてしまったら生活にも困ってしまうので、やめるわけにはいきません。(退職金や失業手当はあるかもしれませんが)
投資でも転職でも生活防衛資金があるということは余裕があり、仮に失敗しても数か月は生きていける状態です。そのような状態であれば仮に一つ失敗しても許してあげることができます。次は頑張れば、うまくいけばいいのです。
生活防衛資金はいくら貯めたら良い?
生活防衛資金が必要なことは分かったけど、実際にいくら貯めたら良いの?と思ったことでしょう。
金額によっては、あきらめちゃうかも。と思った方もいるかもしれません。
ここからは具体的に生活防衛資金はいくら必要なのか考えていきたいと思います。
まずは月の支出を考えてみよう
生活防衛資金の額は人によって違います。家族構成や、その人の生活水準によっても違いますし、性格も影響してきます。という答えでは困ってしまうと思いますので、筆者なりの考える手順を解説したいと思います。
まずはご自身の毎月の支出がいくらなのか把握してみましょう。いくらかわからない人は家計簿アプリを使ってみることをお勧めします。おすすめの家計簿アプリはお金のコンパスです。
ここで重要なのは数円、数百円のレベルまで細かく把握する必要はないことです。
最初はざっくりでもよいのです。「自分はストレスなく毎月これくらい使っているんだな」「もう少し切り詰めたらこれくらいになるかなぁ」くらいで把握しておきましょう。
あとはご自身の属性により、計算式に当てはめるだけです。
会社員の場合
ご自身が会社員の場合、明日から無収入になる可能性はかなり低いです。
仮に病気になった場合や、会社がつぶれた場合でも公的保険により最低限の収入は確保することができます。
そのため、目安は月の支出の6か月~1年分が適当だと思います。
自営業の場合
ご自身が自営業の場合、明日から無収入になる可能性もあります。会社員と比べて保障は薄いといえます。
そのため、目安は支出の1年から3年程度が適当だと思います。
計算が終わったら
上記計算した数値を見たとき、皆さんはその数値を見てどう思いましたか?
かなり多いと思った人も、少なくて安心できないと思う人もいると思います。
最後に性格による補正が必要です。
少ないと思ったあなたは少しだけ多めにしてみましょう。ポイントは「少しだけ」多めにすることです。心配だからと、目標を高くしてしまうと、いつまでも生活防衛資金を貯めなければいけません。
多いと思ったあなたは少しだけ少なめに貯めてみて、目標を達成した時にもう一度考えてみましょう。目標は途中で変えても良いんです。
生活防衛資金が貯まるまで投資をしてはいけない?
皆さん生活防衛資金の計算はできましたか?
では最後に、生活防衛資金が貯まるのに数か月かかる方もいらっしゃるかと思います。せっかく新しいことに挑戦したくて、投資やってみたいのに生活防衛資金が貯まる数か月我慢すべきなのでしょうか。
筆者は生活防衛資金を貯めている途中でも投資しても良いと思います。主な理由は下記3点です。
- やりたいと考えているうちにやらないと、あとでやらなくなるから
- 少額のうちから投資の値動きに慣れておいた方が良いから
- 生活防衛資金の多寡や重要性が分かるから
ただし、生活防衛資金と投資に振り分ける割合は生活防衛資金を多めにしておいた方が良いと思います。途中で失敗しても取返しのつく状態で挑戦していきましょう。
生活防衛資金を貯めるべき理由まとめ
今回の記事では生活防衛資金を貯めるべき理由を中心にご紹介しました。
生活防衛資金を貯めるべき主な理由は以下3点です。
- 心の余裕ができるから
- お金を貯める習慣ができるから
- 色々なことに挑戦できるから
また、生活防衛資金の金額の考え方は以下の通りです。
- 会社員の場合、月の支出の半年~1年分
- 自営業の場合、月の支出の1年~3年分
ここまで見ていただいた通り、月の支出が少ないほど生活防衛資金は少なくて済みますし、精神的な余裕も出てきます。
ちなみに筆者の場合、独身・会社員ですので、月の支出が20万円程度、×6か月で120万円程度が生活防衛資金と考えています。最低限生活しようと思えば15万円程度でも十分ですので、120万円あれば十分かなと考えています。
皆さんの生活防衛資金はどれくらいでしょうか。
ではまたいつか。
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