【投資指標】純資産総額が大きいほど良い理由~手数料を下げられる仕組み~

投資知識

「純資産総額はなんで多いほうが良いの?」

投資信託を選ぶとき、よく「純資産総額が大きい方が良い」と言われます。でも、なぜなのでしょうか?

「純資産総額って何を見ればいいの?」 「なぜ大きい方が良いって言われるの?」 「小さい純資産総額のファンドはダメなの?」

今回は、純資産総額の重要性について、特に手数料との関係を中心に説明していきます。

はじめに結論:純資産総額が大きいほど投資家に有利

純資産総額が大きいファンドの方が投資家にとって有利です。その理由は主に2つ

  1. 投資家を守る仕組みが整っている(つぶれにくい)
  2. 手数料を下げやすい(特にインデックスファンド)

具体的な目安としては、1,000億円以上の純資産総額があるファンドがおすすめです。

特にインデックスファンドでは、純資産総額が大きいほど手数料を0.1%以下に抑えることができます。この差は、長期投資では大きな影響を与えます。

なぜそうなのか、具体的に説明していきましょう。

1. 純資産総額とは

1-1. 基本的な説明

純資産総額とは、分かりやすく言えば「投資信託の規模」を表す指標です。

具体的には:

  • 投資家から預かった資金の総額
  • 運用によって得られた損益を含む全体の金額
  • ファンドの大きさを示す重要な指標

例えば:

  • 純資産総額1,000億円のファンドは、1,000億円分の資産を運用している
  • これは、多くの投資家からの資金を集めて大きな「資金のプール」を作っているイメージ

1-2. 安定性との関係

純資産総額が大きいファンドには、重要な特徴があります。

それは「安定性」です。

大きな船と小さな船を思い浮かべてください

  • 大きな船は波が来ても安定している
  • 小さな船は波の影響を受けやすい

投資信託も同じです

  • 純資産総額が大きいファンドは、市場の変動に対して安定的
  • 運用会社の体力も関係し、投資家保護の面でも有利

2. 手数料が安くなる仕組み

2-1. スーパーの例え話

手数料が安くなる仕組みを、スーパーマーケットの運営を例に考えてみましょう。

小さなスーパー:

  • お店の維持費(家賃、人件費など)が月100万円
  • 商品が100個しか置けない
  • 1個あたりの維持費負担が1万円

大きなスーパー:

  • お店の維持費は同じく月100万円
  • 商品が1000個置ける
  • 1個あたりの維持費負担が1千円

つまり、同じ維持費でも、規模が大きいほど1個あたりの負担を減らすことができます。

2-2. 信託報酬の内訳

投資信託にかかる手数料である信託報酬は、主に3つの要素で構成されています:

  1. 運用管理費用
  • ファンドの運用担当者の人件費
  • 運用に必要な調査費用
  • システム関連費用
  1. 販売会社費用
  • 販売窓口(証券会社や銀行)の手数料
  • 口座管理費用
  • 運用報告書作成費用
  1. 信託財産の管理費用
  • 受託銀行の管理費用
  • 資産の保管費用
  • 経理処理費用

これらの費用は、純資産総額に対する年率で表示されます。例えば

  • 運用管理費用:年0.05%
  • 販売会社費用:年0.03%
  • 信託財産管理費用:年0.02% 合計:年0.1%

2-3. インデックスファンドの場合

インデックスファンドでも、同じ原理が働きます。

例えば、ファンドの運用担当者の年収が1,000万円だとします:

純資産総額1億円の場合:

  • 1,000万円÷1億円 = 1%の負担

純資産総額1,000億円の場合:

  • 1,000万円÷1,000億円 = 0.01%の負担

インデックスファンドは指数に連動する運用なので、規模が大きくなっても基本的な作業は変わりません。つまり、純資産総額が大きくなればなるほど、一人あたりの手数料負担を下げることができるんです。

これが、純資産総額の大きいインデックスファンドで、手数料を0.1%以下に抑えられる理由です。

まとめ

純資産総額の大きさがなぜ重要なのか、ポイントを整理しましょう。

  1. 安定性の面で有利
  • 運用の安定性が高い
  • 投資家保護の面でも有利
  • 目安は1,000億円以上
  1. 手数料面で大きなメリット
  • 運用コストを多くの投資家で分担
  • 特にインデックスファンドでは重要
  • 0.1%以下の信託報酬も実現可能
  1. 長期投資ではさらに重要
  • わずかな手数料の差も長期では大きな影響
  • 複利効果で差が広がっていく
  • 純資産総額の大きいファンドを選ぶことが賢明

純資産総額は、投資信託を選ぶ際の重要な判断材料の一つです。「たくさんの人が投資している=それだけの理由がある」と考えることもできます。

特にインデックスファンドを選ぶ際は、純資産総額を一つの基準として、手数料の安いファンドを探してみてください。

長期的な資産形成では、このような「当たり前だけど重要な基準」を大切にすることが、結果的には大きな違いを生み出します。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。このブログでは引き続き投資初心者のあなたに向けて、わかりやすく実践的な情報を定期的に配信していきます。ブログのシェアやコメントお待ちしております。

ロキ
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ではまた、次の記事でお会いしましょう。ロキでした。

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