サルでも分かるアクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由

投資知識
悩み
  • アクティブファンドはやめておいた方が良いと聞いたけど、理由が分からない
  • つみたてNISAを始めたいけど、何を買ったら良いかわからない
  • アクティブファンドの購入を検討しているけど、特徴と注意点を教えてほしい

このような悩みを抱えている方も多いかと思います。

筆者も初めてつみたてNISAの購入銘柄を選ぶ際には色々な媒体を調べましたので、その時の経験をもとに本記事を構成しています。

本記事のPOINTは以下の通りです。

POINT
  • アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない1番の理由は手数料
  • 長期間でのアクティブファンドの勝率は6.60%
  • アクティブファンドの全てがダメなわけではない

それでは詳細を見ていきましょう。

アクティブファンドとインデックスファンドの違い

まずはアクティブファンドとインデックスファンドの特徴と違いを把握していきたいと思います。

インデックスファンドアクティブファンド
運用方法ベンチマークに連動プロが考えて運用
手数料低い高い
分散と集中分散集中

運用方法

インデックスファンドはベンチマークに連動して運用します。

ベンチマークとは基準のことを言い、それぞれのファンドが目指すべき基準値が設定されています。

例えば、日経平均株価やTOPIXなどの言葉をニュースなどできいたことがあると思いますが、これら2つもベンチマークの一つになります。

主なベンチマークとファンドの組み合わせは以下の通りとなります。

主なベンチマークとファンド
ベンチマークファンド
日経平均株価ニッセイ日経225インデックスファンド
TOPIXeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
S&P500eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
NYダウiFree NYダウ・インデックス

ベンチマークに対して、ファンドは複数存在し、同じ日経平均株価をベンチマークとしていても銘柄が複数あることになります。

一方、アクティブファンドは専門家のプロの方が考えて運用します。

基本的にはインデックスファンドの成績を上回るように考えられています。

また、アクティブファンドにより運用方針や考え方の違いがありますので、目論見書をよく読むことが必要になります。

手数料

先ほどの運用方法に関連しますが、アクティブファンドとインデックスファンドの大きな違いが手数料になります。

手数料には主に3種類があります。

買う時の手数料

まずはファンドを購入する際に手数料がかかるものがあり、この手数料を「購入時手数料」と言います。

販売窓口やファンドにより設定があるため、実際に購入するところで確認する必要があります。

賃貸住宅を借りる時に礼金のようなもので、一番最初に必要になります。

購入時手数料が無料のファンドをノーロードと言い、最近はノーロードが増えてきています。

つみたてNISAの場合はノーロードの投資信託のみが採用されていますので、特に気にする必要はありませんが、通常の課税口座で購入するときは注意が必要です。

運用時の手数料

購入した後に保有している間にかかってくる手数料が信託報酬と監査報酬、売買委託手数料になります。

監査報酬と売買委託手数料は信託報酬に含まれますので、私たちが気にしなければいけないのが信託報酬です。

信託報酬はファンドを運用していくのに必要な手数料になります。

賃貸住宅を借りている時の、共益費・管理費のようなもので、毎月支払う必要があります。

つみたてNISAで購入できるファンドは信託報酬が一定の水準以下のファンドのみが選ばれています。

なお、アクティブファンドであれば信託報酬から運用しているプロの方の給与が発生していると考えると、インデックスファンドよりアクティブファンドの手数料が高い理由が分かると思います。

解約時の手数料

最後に解約・売却した時の手数料が信託財産留保額になります。

信託財産留保額は販売会社が受け取るわけではないのですが、ファンドの流動性を担保するためのものになります。

賃貸住宅を解約する際の原状回復費(敷金)のようなものになります。

ファンドにより信託財産留保額が必要な場合と、不要な場合があります。

分散と集中

インデックスファンドはベンチマークを見ていただければ分かるように、ファンドに含まれる銘柄が分散されています。

主なベンチマークとファンド
ベンチマークファンド
日経平均株価ニッセイ日経225インデックスファンド
TOPIXeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
S&P500eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
NYダウiFree NYダウ・インデックス

例えば、日経平均株価に関しては日本の東証プライム市場に上場している銘柄のうち、225社の株価を平均したものになります。

日経平均株価をベンチマークとしているニッセイ日経225インデックスファンドに関しても225社の株価と同様の値動きを目指しています。

そのため、225社のうち1社の業績が悪くなっても全体への影響は少なくなっています。

一方でアクティブファンドの中には特定の業種や、特定の特徴を持つ企業に集中投資するファンドがあります。

例えば、AIにのみ投資するファンドの場合、AIの業界自体が打撃を受けた場合にファンド自体への影響も大きくなります。

アクティブファンドがインデックスファンドに勝てないと言われる理由

アクティブファンドがインデックスファンドに勝てないと言われる一番の理由は手数料だと言われています。

例えば、有名なアクティブファンドと手数料が以下になります。

アクティブファンド名信託報酬率
ひふみプラス1.078%
フィデリティ・米国優良株・ファンド1.639%
のむラップ・ファンド(積極型)1.518%

一方で、有名なインデックスファンドと手数料が以下になります。

インデックスファンド名信託報酬率
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.0968%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)0.1144%
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド0.0938%

アクティブファンドの方が1%程度高くなります。

1%と聞くと大したこと無いように見えますが、株式投資の長期リターンは15年間で+1%~+12%程度ですので、毎年1%が手数料となるとほとんどを手数料として引かれてしまいます。

長期投資のリターンは以下で詳しく解説していますので、ご覧ください。

また、実際の統計でもアクティブファンドがインデックスファンドを上回る確率が低いという結果が出ています。

以下が投資期間とS&P500に対してファンドの勝率の割合です。

1年間では勝率が約50%ですが、投資期間が長期になるほど下がっていき、15年間では6.60%となります。

一方で日本の場合の勝率は以下の通りです。

日本でも傾向は同じで、1年間であれば勝率24.35%ですが。10年間になると13.82%まで落ちてきます。

このように、短期間ではある程度アクティブファンドがインデックスファンドより成績が高いことがあるかもしれませんが、長期間になるとアクティブファンドの成績が落ちてきます。

アクティブファンドとインデックスファンドの使い分け方

アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由を見てきましたが、決してアクティブファンドがダメなわけではありません。

先ほど見ていただいた通り、一握りではありますがインデックスファンドをアウトパフォームするファンドも存在しています。

しっかりと目利きして、目論見書を読むことでそういった一握りのファンドを見つけられる可能性もあります。

また、短期間であればアクティブファンドの勝率は高くなりますので、短期間に限ってアクティブファンドを保有してみたり、ファンドの保有銘柄を参考にご自身で個別銘柄を購入するのも良いかと思います。

アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由 まとめ

アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由を見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。

再度本記事のPOINTのおさらいです。

POINT
  • アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない1番の理由は手数料
  • 長期間でのアクティブファンドの勝率は6.60%
  • アクティブファンドの全てがダメなわけではない

長期投資をする上ではコア・サテライト戦略が大事になってきます。

筆者もコアはインデックスファンドとしつつ、サテライトではアクティブファンドや個別株で構成していきたいと思います。

なお、今回のように投資信託を購入したり、比較するにはマネックス証券をおすすめしています。

口座開設は無料ですので、是非開設してみてください。

それではまたいつか。

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