最近お金の勉強を始めて、つみたてNISAを始めたけど、やることが無くて、つまらないと思ってしまう方も多いかと思います。
筆者も最初つみたてNISAのみでしたが、もっと早く資産形成をしたいと考え、色々なことに興味を持ち始め様々な失敗もしてきました。
本記事のポイントは以下の通りです。
- 資産形成に向かない具体例5選
- 資産形成に向かない理由
- 資産形成に向かない理由を理解した上での楽しみ方
初心者の頃にやってはいけない資産形成について見ていきたいと思います。
初心者がやってはいけない資産形成5選
早速ですが、初心者がやってはいけない資産形成5選は以下の通りです。
- 株式のデイトレード・スキャルピング
- 仮想通貨(暗号資産)
- NFT
- FX取引の短期売買
- 美術品
それぞれの特徴を見ていきたいと思います。
株式のデイトレード・スキャルピング
株式の投資手法は期間によって、長期投資と短期投資に分けることができます。
短期投資の代表的なものにはデイトレードとスキャルピングがあり、どちらも1日のうちに何度も取引することで利益を得ようとする手法になります。基本的には1日で取引を終了するため、市場が開いていない時間外に発生したアメリカでの出来事や、決算発表などの出来事の影響を受けにくくなります。
Twitterや有名人にはデイトレードで億り人になった人もたくさんいます。ではなぜデイトレードが初心者の資産形成に向いていないのか、デイトレードではどういったことが発生しているのか見てみましょう。
上記は1日で発生した取引です。
・ライオンは10万円でニワトリから株を購入し、ヒツジに20万円で売却しているため、差額の10万円が儲けとなります。
・ヒツジは20万円でライオンから株を購入し、ニワトリに30万円で売却しているため、差額の10万円が儲けとなります。
・ニワトリはライオンに10万円で売却し、ヒツジから30万円で購入しているため、差額の20万円が損となります。
3人合わせると、プラスマイナスゼロの結果となります。
実際には儲けの部分には税金がかかりますし、株の売買にかかる手数料もありますので、全体で見るとマイナスになります。
このように全体の総和がゼロもしくはマイナスとなる場合、複数回同じことを繰り返すと最終的な値はゼロもしくはマイナスに収束していきます。つまり、期待値がゼロ、もしくはマイナスとなるということです。
もちろん期待値がゼロもしくはマイナスでも、一部の天才(外れ値)の人は勝ち続けることが可能ですが、平均で見ると勝率は低くなるでしょう。
仮想通貨(暗号資産)
ビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨(暗号資産)についてはどうでしょうか。
通常の日本円やアメリカドルなどは各国の政府が発行しているため、政府の意向により円を多くしたり、減らしたりすることができます。
仮想通貨はブロックチェーンという技術により、改ざんすることができないとされています。
また、仮想通貨はマイニング(発掘)により発行されるため、金などと同じように発行枚数の上限が決まっているため、価値保存の法則があるとされています。
しかし、仮想通貨自体には価値を生み出す仕組みはないため、欲しい人が多ければ値段は上がりますし、欲しい人が少なくなれば値段は下がります。
現時点では法整備も追いついていないため、税金の割合が高いことや、詐欺として使われる可能性も高いこともあり、初心者には向いていない資産だと思われます。
NFT
NFTとはNon-Fungible Tokenの略称で、日本語では非代替性トークンと言われています。
NFTは暗号資産と同じくブロックチェーンの技術により、デジタルデータに固有の価値を持たせることにより、画像・音声・映像などを唯一無二の資産として取引することができます。
また、NFTを転売(二次流通)することにより、作者にも取引額の数%が還元されます。
一方で、仮想通貨と同じように未成熟な市場であるため、税金の割合が高いことや詐欺として使われる可能性も高いことがあり、初心者には向いていない資産だと思われます。
FX取引の短期売買
FXとはForeign Exchangeの略で、外国為替証拠金取引となります。
2つの国の通貨を交換するレートの変動化が売買を行う取引で、為替レートは24時間変動していることから、FX取引はいつでも行うことができます。
FXの取引においても株と同じように、期間によって長期投資と短期投資に分かれます。
短期投資は株のデイトレード・スキャルピングと同じ取引をするため、最終的な期待値はゼロまたはマイナスとなります。
一方で、長期取引の場合は2国間の金利の差によりスワップポイントをもらうことになります。
例えば、現在日本は貯金しても利子がほとんどつかないことから分かるように、金利が低い状態にあります。
それに対してアメリカなどでは金利が上がってきており、日本と比べて貯金にも利子が付くようになります。そのため、日本円を売り・アメリカドルを買いとしておくことで、その2国間の利率の差分を利子のような形で受け取ることができ、これをスワップポイントといいます。
このように長期間保有することとした場合は、持っている人全員がプラスとなる可能性があるため、投資には向いていることになります。
短期投資はレバレッジかけることもできますので、初心者にはリスクが高い投資となります。
美術品
美術品は将来的に値上がりする可能性や、何でもない絵画だと思って買ったものが、有名な絵画で何倍もの値段になることもあります。
最近だとバスキアの絵を前澤勇作さんが購入したのが有名です。これが値上がりを期待した購入なのか、単純に鑑賞するためのものか分かりません。
また、TV番組の開運!なんでも鑑定団で素人の方が価値を信じて買った結果、価値がないものだと鑑定される光景を見たことある方も多いのではないでしょうか。
絵画などの美術品はそのものがお金を生み出すわけではありませんし、素人が手を出しても失敗する確率の高いものだと思います。
資産形成NG5選の特徴
資産形成NG5選いかがだったでしょうか。
共通の特徴について、もうお分かりの方も多いかと思いますがあらためてまとめてみます。
「投資」と「ギャンブルや投機」の違い
最終的な期待値がプラスになるのかゼロまたはマイナスになるのか各資産形成にて上げさせていただきましたが、プラスになるものをプラスサムゲーム、ゼロになるものをゼロサムゲーム、マイナスになるものをマイナスサムゲームといいます。
サムとは合計のことですので、全員の合計がどうなるかという名前になります。
投資は会社の成長や配当金の払い出しなどにより、最終的にはプラスサムゲームになるといわれています。全員の合計がプラスになるということは確率論的にも勝つ割合が高くなります。
一方でギャンブルや投機はゼロサムゲームまたはマイナスサムゲームになり、勝つ確率が5割以下になります。
NG5選であげた以外にも、例えば競馬とか宝くじとかは主催者に利益が入るようになっていますのでマイナスサムゲームになります。ちなみに、宝くじの期待値は50%以下とするように法律で定められていますので、ほとんどの確率で負けるようになっています。
それでも楽しみたい人はどうすれば良い?
それでもつみたてだけではつまらないから何かしてやってみたいという方もいらっしゃると思います。筆者もその中の一人です。では、ここまで見てきたけどそれでもやりたい場合に気を付けるべきポイントをお伝えします。
- 少額で始める
- 全資産に対する割合を決める
- 勉強してから始める
- 最終的には勉強代だと思ってあきらめる
少額で始める
何事も一緒かと思いますが、まずは少額で始めてみることです。
いきなり大金をつぎ込んでしまうと、ボラティリティーに耐えられなくなってしまったり、大きな痛手を負ってしまう可能性があります。
まずは失っても痛くない少額で始めてみましょう。
全資産に対する割合を決める
少額で始めても、全資産が5万円の場合の1万円の割合を考えてみると25%となり、割合が高いことが分かります。
1万円という絶対額で判断するのではなく、全資産に対する割合で考えることも大事です。
例えば、全資産の5%と決めておけば、その資産が50%減ったところで、全体に与える影響は2.5%となります。
このように、全資産に対する割合で数%程度と決めておくことも大事です。
勉強してから始める
何も知らないまま始めても上達しません。
ルールが分からないままサッカーをやるようなものです。足でボールをけらなきゃいけないのに、手を使ってしまったらゲームになりません。下手したら退場になってしまいます。
資産形成も同じです。まずは勉強してルールを覚えてから始めましょう。
とはいえ、勉強ばっかりして始められないのももったいないので、ある程度ルールが分かるまでは勉強して、あとはやりながら勉強していくのも大事です。
最終的には勉強代だと思ってあきらめる
始めてしまったからには、上達したいものですが、最終的にはなかったものとしてあきらめるということも大切です。
少額で割合を決めて、勉強したけど、うまくいかないということは多々あります。
最初からあきらめることはよくないかもしれませんが、最終的には勉強代だと思ってあきらめることも大事です。
勉強した上での失敗であれば、いつか人生の中で知識が役に立つ可能性もあります。
初心者がやってはいけない資産形成5選まとめ
初心者がやってはいけない資産形成5選いかがでしたでしょうか。本記事のポイントは以下の通りでした。
- 資産形成に向かない具体例5選
- 株式のデイトレード・スキャルピング
- 仮想通貨(暗号資産)
- NFT
- FX取引の短期売買
- 美術品
- 資産形成に向かないのはゼロサムゲームとマイナスサムゲーム
- 資産形成に向いているのはプラスサムゲーム
- それでもやってみたい人の考え方の特徴
- 少額で始める
- 全資産に対する割合を決める
- 勉強してから始める
- 最終的には勉強代だと思ってあきらめる
筆者は今回の具体例5選のうち、株のデイトレードと仮想通貨をやっていますので、この5選が悪いとは思っていません。
例えばデイトレードに関しては、色々な期間のトレーダーがいることで売買が活発になり、最終的には市場が発展する恩恵にあずかれると考えています。
また、どの分野でもその道のプロがいるように、今回の5選によって大きな富を得た人もいますので、お金持ちへの道は一つではないということです。
今回は初心者に限定して言及してみましたので、皆さんも自分には何が向いているのか考えてみてください。
世界三大投資家の一人、ジョージ・ソロス氏の名言の一つに
「もし投資が楽しいもので、あなたも楽しんでいるようなら、おそらくあなたはお金を稼げていないだろう。良い投資とは退屈なものだよ。」
とあるように、最良のものとはひどく退屈なものなのかもしれませんね。
ではまたいつか。
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